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日記

投資用不動産の営業を受けました

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 投資用マンションの営業を路上で受けました。
 物件の目の前でです。きちっとした営業の人だったので新人でないのは明らかでしたし、最近はいろんな営業形態があるものだと思いました。調査票のようなもの(実際には見込みリスト作成票)を持っていたので、昔、リサーチ会社にいたときのCLTを思い出しました。
 はっきり言って突っ込みどころ満載でしたが、そんなことよりは、普通の人がどのような営業に掛かってしまうのかを実地体験する方にずっと大きな目的があります。腕にオメガの腕時計が光る、おちついた感じの営業の方で、とりあえず自分との落差には落胆しました(笑)。人間的な雰囲気として僕にはこの手の営業が出来ません。言葉と知識で説得してしまうんですね(笑)。こちらが投資関係者であることを表現しても全く物怖じしないのは商品先物の営業さんと同じです。彼我戦力差を認識していないからだと思いますが、彼らのように下品でないのは、顧客にばくち打ちが少ないからでしょう。とにかく、売れそうな営業の方でした。
 投資と名の付くもの、すべてを裏技まで勉強しなければ気が済みませんので、投資用不動産に関しても、いろんな技を知っているつもりです。ただ、「一般の人が思わず買いたくなってしまう営業」を受ける機会などあまりありませんので、備忘録として、覚えている限りのことを書いてみようと思います。
 あくまでも覚えている限りですので、間違いがあったらご勘弁を。
 さて、この物件、床面積35へーべー、居住部分8畳、博多駅から徒歩5~8分で、価格1500万円とのこと。周辺の相場はおそらく、新築でも8~10万円でしょうから、充填率80%(12ヶ月のうち9.6ヶ月しか入居していないという前提)で、10*9.6=96万円が年間の収益です。正確には聞けなかったのですが、ここに管理費など毎月7千円がかかり、これが84000円。およそ85万円が年間収益ですから、収益還元方式では6%程度になります。計算してみると思ったよりは悪くないですが、実質的には25%以上の物件を探せるこの時代にトンデモナイです。あと、本当に修繕積立金まで併せて7千円ですむのかどうかは、基本的に疑問です。
 ワンルーム形態は売りやすい価格になるのでこの手の分譲管理会社では売り出されることが多いですが、人口動態としては明らかに少子化の状態に加えて、所得の高い人から結婚しつつあることがはっきりしているため、ワンルームは貧困に近い人が入る可能性が高く、長期的に見るとかなり危険な投資と言えます
 これについては、博多駅の開発の話と、法人契約をたくさんとっているという話をされていました。まぁ、若者には面白い場所かもしれませんが、それが長期的な収益性とどのぐらい相関があるのかは調べてみないとわかりません。今で言うミッドタウン、六本木ヒルズのような場所の至近地域に30年前に建てられたワンルームマンションのその後の変遷以上の収益性がある可能性はゼロだからです。
 家賃保証プランもあるという話でしたが、この場合は87~90%の家賃を保証するとのこと。このての話(新築マンションを含む)は契約更改が買い手に非常に厳しくなっていることが多いのですが、それを直接聞いても身も蓋もないので、「期限はどのぐらいですか?」と聞いたところ「無期限です」と言われたので、「真面目なご商売ですね」と言っておきました。資料で確認しますが、おそらく契約更改はあるし、それも買い手にかなり不利な条件になっているはずです。それでも売るのが営業の能力ですから、真面目なものを会社が用意する可能性は低いでしょう。
 1500万円の投資物件のローンをどのぐらいの年収であれば組めるのかも聞きましたが、これは500万円でも可能性があるとのこと。公務員とかだと与信が良いからなぁ。まぁ、中小企業の30代部長で年収500万円では無理でしょう。この企業の紹介融資なので通りやすいと言うのは現実だと思います。持ち家のローンがあっても大丈夫とのこと。投資的には不動産(しかも日本の)に偏っていて危険この上ないですが、不動産が好きなら心中する覚悟でそういう博打人生も悪くないかもしれません。ノンリコースローンは無理だそうです。
 「インフレ対策に」とも言われましたが、借り入れ利率は10年据え置きですので、その後はどうなるかわかったものではありません。収益還元計算で6%ということは、金利が3%であればプロフィット3%ですが、金利が10%になるとロスト4%です。インフレになると元本の相対的圧縮が行われることから、不動産投資がインフレ対策になるのは長期固定金利の時だけですので、お間違いなく。まぁ、自分が予測しているようなハイパーインフレのときは、変動金利に移行するまでに返済してしまえればいいわけですけどね。それは博打に過ぎません。
 インフレのとき、ものを保持していることそのものは有利に働きますが、変動金利の借入金がある場合、それが単純に圧縮されると考えるのは蒙昧です。金利もインフレにあわせて上昇するからです。特にこのような収益性不動産の場合は契約更改までは安めの家賃で放置することになり、短期的にであれ収益性にも大きなマイナスの力が働きます。これは日本だからこの程度で済んでいるのであって、海外だと10年更改の地域もあるので要注意ですよ。
 もっとも、長プラが4%に達すれば日本の国庫は即時破綻すると計算されますので、その時点以降はハイパーインフレになっていますから、なにもかもが詮無い話になるのかもしれません。詳しくは「投資不適格地域日本」をお読み下さい。
 こんなところかな、なにか追加で思い出したらまた書きます。
 追記
 投資用不動産なら今はバブルになってしまったタイムシェアなどですが、こうした物件に比べると今でもかなりお勧めです。流動性、収益性、ステイタス(これは個人的にはどうでも良いのですが)、投資単位(結果的には分散力になります)など、ほとんどすべての点で優れています。ドバイもありますが、あちらは単位が大きいですしね。それに、ノンリコは居住用住宅でも世界標準ですので、日本の物件を購入する利点はほとんどありません。

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