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システムトレードの津島朋憲が「システムトレード塾」投資を科学する「津島式FXシステムトレード」の著者が贈る投資情報と資産運用の戦略指針は必見

[戦略] 普遍的な戦略目標

投資戦略の普遍的な目標について

戦略の失敗を、戦術、戦闘で補うことは出来ません

戦略は、戦術の土台です。
戦術は、その土台の上にあります。
戦闘は、戦術の具体的実行手段になります。

「医者になる」という戦略目標を立て、戦闘レベルで地道に努力を重ね、戦術的に偏差値の高い中学高校に入り、結果的に医者になったとしても、 「医者に向いていなくて辞めてフリーターをしなければならなくなった」とすれば、戦術も戦闘も実を結んでいません。 同じ努力で弁理士になっていれば結果はまるで違ったかもしれません。

旧日本軍の戦死者の半分は餓死です。どんなに優れた兵隊をたくさん揃えて戦闘には強かったとしても、補給戦略がダメなら、いずれは餓死してしまいます。 補給を中心に考えて精神論を排除していれば、戦況はもっと良かっただろうと多くの人が言っています。

つまり、戦略の失敗は、その土台の上に立つ戦術、戦闘で挽回することが出来ません。

これは自分が特殊なことを言っているのではなく、かなり一般的な考え方です。
(ちなみに、日本人は戦略が非常に苦手で、戦術、戦闘が得意な民族だと思います。)

さて、資産運用の戦略とはなんでしょうか。

個人的に譲れない点のひとつとして、投資戦略の普遍的な目標は 「不労所得による生活の維持」です。
もちろん、この戦略目標をすべての人が共有すべきと言っているわけではありません。

自分がお話しする堅実投資論は
すべてがここに収束する戦略の上でしか思考できないので、それをお知らせしているだけです。

また、この戦略目標を共有できないとお感じになる方もいらっしゃると思います。
それはそれで大切な感覚です。

投資や消費は自分と向き合うことでしか最適な戦略、戦術が見つからないからです。

しかし、日本で語られる資産運用論は、
この戦略目標がほとんど意識されていないようように思うのです。

先進国に生まれ育って終身雇用を得た以上、これを目指さずに何を目指すのだろうというのが自分の感覚です。

同時に、今の時代、大企業に就職すれば普通に40歳での引退を目指せる可能性があります。
これには結婚相手とも同じ戦略目標を共有している必要がありますが、
共働きや独身ならば尚更、無理な話ではありません。

戦略家という言葉は誉め言葉ではないと思います。
裏を返せば実務が出来ない人が多いからです。

自分はこの意味戦略家で、大局観ばかりを求める性格ですが、
日本に蔓延する資産運用論の戦略不在はひどいように思います。
自分には場当たり的なものにしか見えないのです。

みなさんの投資戦略はどうでしょうか?

自分の堅実投資戦略はあくまでも「不労所得による生活の維持」を目指します。

労働者であろうと、トレーダーであろうと、

「不労所得による生活の維持」が資産戦略の目的であることに違いありません。
この戦略から、戦術、戦闘に理屈を収束させる考え方が大切です。

この大前提を外して資産運用を語れませんので、
この大前提が共有できない方が自分と話してもあまり得るものはないと思います。

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持ち家は善か悪か

日本において、普通の終身雇用労働者が行う最大の消費は持ち家の購入です。次が車の購入です。
ただ、新車を5~8年で乗り継ぐようなライフスタイルは団塊世代以上の方を中心にした話になりつつあります。

会計学を紐解いて持ち家を購入することの是非は一部でしか話し合われません。
この持家神話に会計学から切り込むという作業は、
日本人が植え付けられた幸福感にまで切り込むことになるのであまり行われないのです。

安易に会計学(金銭面)だけを見て語ると比較的多くの方に嫌われるからだと思います。
個々人の置かれた事情(地域、所得、家族構成)によって変化する部分もあると思いますので、
自分も安易に会計学だけの話をすることはありません。

この是非は、みなさんが描く投資の戦略目標に対して「何が最短距離であるのか」を考えれば、自ずから答えが出てくるものだとは思いますが、その答えを精神的問題と天秤に掛けることも、人生にとって重要なことだと思います。

ただ、そうした精神的事情を鑑みない限り、企業会計という学問において「自社の事務所のみが入居するビルを所有することは、かなり問題ある行為」であるのは間違いありません。

投資の戦略目標を「不労所得による生活の維持」とするのならば、まずは多くのものを上記戦略目標達成との天秤に掛けてみる考え方をお勧めします。

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投稿日:2010年9月8日 更新日:

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